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この記事は「お墓オンライン」が提供する「お墓のやさしい解説」シリーズです。ライフ・エンディングの考え方について、全編を読むことで体系的に理解できるように構成している特集記事です。
今回の「お墓オンライン」は「樹木葬」について解説します。
樹木葬は今や一般墓を抜き、全体の過半数の人が選択するお墓スタイルに躍り出ました。
樹木葬が選ばれる理由は一体どんなところにあるのでしょうか。
そして、その仕組みはどのようになっているのでしょうか。
順に見ていきましょう。
樹木葬とは
樹木葬は、遺骨を花や緑の中に納骨するお墓のスタイルです。
敷地全体が草花や芝生に覆われている雰囲気が最大の魅力。
樹木葬が世に出たのは、ちょうど2000年の頃で、まだ四半世紀しか経っていません。
ところが、大地に還るイメージが強いことが現代日本のライフエンディング観にマッチし、急角度で支持が増えて今に至ります。
樹木葬のスタイル
その樹木葬を、簡潔に表現すると次のようになります。
相性が合う人なら「これ以外の選択肢は考えられない」と即決する方が少なくありません。
樹木葬の具体例
例えば「桜樹木葬」などがよくメディアで取り上げられます。
桜そのものが故人のシンボルツリー。
春のお彼岸の時期は、桜を愛でながらのお墓参りになります。
樹木葬の3つのタイプ
樹木葬の主なタイプを3つ紹介しましょう。
「合葬」タイプの樹木葬
「合葬」タイプの樹木葬は永代供養型の樹木葬です。
他人の遺骨と合同で祀られるため「合祀型」とも呼ばれます。
価格的には総額で5万円ほどから。
必要なのは初期費用だけで、毎年の管理料も発生しません。
「他人の遺骨と合同」という点にどこまで譲歩できるか、そこが選択の分かれ目です。
「合同」タイプの樹木葬
「合同」タイプの樹木葬は、他の方々の遺骨と並んで納骨されますが、自分の納骨スペースは確保されるタイプです。
名前が刻まれたプレート状の石で敷地を識別でき、見た目は洋風のイメージになります。
価格相場は15万円ほどから。
一般的には、十三回忌や三十三回忌を迎える頃には近い親族や交友関係があった知人たちも少なくなってきます。
そのタイミングで合祀墓に移って永代供養にしてもらうプランが人気です(予めそのような契約をしておきます。)
「個別」タイプの樹木葬
「個別」タイプは、樹木も土地も納骨も、全て個人で占有するタイプです。
最低価格で30万円ほど。
占有できるとはいえ、33回忌を迎えた後など、将来は永代供養となるプランが多いでしょう。
樹木葬の価格相場
樹木葬は、あらゆる面で低価格の傾向にあります。
50万円レベルでもかなり充実して満足いくものを選べ、逆に、下限は5万円前後におさまります。
他方、自然がテーマとなっている性質上、例えば高級ホテルのような納骨堂があるように、豪華さを演出する高額プランはほぼ見かけません。
樹木葬の運営母体
樹木葬の運営母体は、お寺、公益法人、自治体の3つです。
樹木葬と言えど、その母体は一般墓や納骨堂と全く同じです。
そもそもお墓の運営は、国や自治体の厳しい許認可制度で成り立っているため、運営者の安心感は問題ないでしょう。
樹木葬の立地
立地的には、既存の墓地内に増設されるケースと、新たな場所に開設されるケースがあります。
アクセス至便の立地もあれば、海を一望できる場所、そして山の頂きなどまで、オリジナリティ溢れる選択肢が整っています。
樹木葬を選ぶべき理由
樹木葬を選ぶべき人は、以下のようなフレーズに共鳴できるタイプでしょう。
樹木葬は、低コストで、跡継ぎの心配が不要な点が最大の選択ポイントです。
このあたりの基礎知識は、前回までの記事で一通り解説してきました。
【前回の記事 】樹木葬・納骨堂のメリットは?
また、樹木葬は複数人でも利用できるので、家族単位で契約できる点が決定打になった方も多く見られます。
特に人気のパターンは、ご夫婦で契約するケース。
一人目が眠る場所に、二人目が亡くなったらそこに一緒に入り、その時点から32年後まで個人墓としての埋葬が約束されるプランです。
33回忌が終わると、必ず永代供養をしてくれるため、無縁仏となってしまうことを避けられます。
樹木葬の注意点
注意点は、よくある以下の誤解です。
樹木葬は、厳密には「遺骨が自然に還る」というスタイルではありません。
あくまで「墓石がないお墓」というだけで、完全なる自然回帰とは言えないのです。
母なる大地への自然回帰、といった理由で樹木葬に惹かれている場合は、「散骨」が選択肢になるでしょう。
次回の「お墓オンライン」では、「完全なる自然回帰」にフォーカスした「散骨」について解説します。
今回の記事のおさらいはこちら
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