今回の「お墓オンライン」は「仏壇購入のポイント」を解説します。
特に、これまで仏壇に馴染みがなかった方を対象に入門レベルで説明しますので、ぜひ参考にしてください。
仏壇の種類
仏壇は、大きさと、スタイルの2つの側面で分類することができます。
まずは、大きさによる選択ポイントを見ていきましょう。
仏壇の種類【大きさによる種別】
大きさによって見極めなければならない基準がこちらの3点です。
サイズによる仏壇の種類【床置型仏壇】
床置型の特徴から見ていきましょう。
床置型仏壇の特徴
床置型仏壇は140cmほどが一般的です。
台付仏壇とも呼ばれます。
文字どおり、床にドッシリと置いて祀る仏壇で、数ある仏壇の中でも大きさ的には最大の仏壇です。
床置型仏壇の注意点
設置するにあたって、扉の開け締めや、仏壇の前に正座をするスペースなど、家具と同じような視点でレイアウトまでも考慮する必要があります。
床置型仏壇を選ぶべき人
床置型仏壇には「仏間」が必須です。
もしくは、広々としたリビングのある住宅や、仏壇専用の部屋を用意できるような、スペースに余裕があるご家庭向きの仏壇でしょう。
また、伝統やしきたりに厚く敬意を払うタイプの人にも向いています。
格式高いお寺に立派なお墓を建て、家の中にもフルサイズの仏壇を求める、といった方々に選ばれる傾向にあります。
サイズによる仏壇の種類【地袋型仏壇】
続いて、地袋型仏壇を見ていきましょう。
地袋型仏壇の特徴
地袋型仏壇もまた、仏間があるご家庭のための仏壇です。
サイズ的には、先ほどの床置型仏壇よりもやや小さく、高さ約120cmほど。
地袋型仏壇の注意点
画像から分かるように、仏間に「地袋」と呼ばれる仏壇を置くための専用スペースが必要です。
地袋型仏壇を選ぶべき人
地袋型仏壇は、大家族で先祖代々の家を引き継いでいるようなケースで検討するべきタイプです。
家を引き継ぐ立場の人が、新しい仏壇に入れ替えるときなどで検討するケースが多いでしょう。
サイズによる仏壇の種類【上置型仏壇】
3つ目は上置型仏壇です。
上置型仏壇の特徴
上置型仏壇は、マンションにお住まいの方など、核家族向けの仏壇です。
コンパクトさが最大の特徴。
高さ30cmほどのものから1mほどのものまで、バラエティ豊かです。
家具や棚の上に設置することが多く、和室がない現代の家にもよく馴染むように作られています。
上置型仏壇を選ぶべき人
故人を供養できればそれで良いと考える人や、仏壇の機能面が満たされていれば十分だと思う人は、この上置型仏壇の選択です。
さらに、そもそも大きな仏壇の設置スペースがないご家庭は、この「上置型」で検討することになるでしょう。
仏壇の種類【形による種別】
以上が、大きさによる仏壇の選択基準です。
次は、仏壇の「スタイル面」から分類して検討していきましょう。
こちらも大きく分けると以下の3つに分けられます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
仏壇の種類【金仏壇】
金仏壇の特徴
彫刻、金箔、漆を装飾に入れて、とにかく華やかに印象付けるのが金仏壇です。
金仏壇が華麗に仕上げられる理由は、まさにお寺の本堂を最大限に再現しようとする仏壇だからです。
極楽浄土の世界観を目一杯表現しているのがお寺の本堂。仏教が求める理想郷です。
金仏壇の注意点
金仏壇は、主に浄土真宗の世界観を表しています。
浄土真宗では「位牌」を祀らないため、金仏壇には位牌段(位牌を置くスペース)が無いタイプがあります。
金仏壇を選ぶ際は、位牌スペースの有無に注意が必要です。
金仏壇を選ぶべき人
金仏壇は、基本的には浄土真宗の人が選択する仏壇です。
とはいえ、浄土真宗以外の宗派が選んではいけないという決まり事ありませんが、知識としてはおさえておきましょう。
仏壇の種類【唐木仏壇】
次は唐木仏壇を見てみます。
唐木仏壇の特徴
唐木仏壇は、自然で美しい木目を優しく上品に活かした雰囲気が特徴です。
唐木と呼ばれる黒檀や紫檀など上質な木を素材とし、その素材の美しさを全面に活かしています。
唐木は非常に硬く、重量もあり、そして何よりも耐久性に優れています。
唐木仏壇の注意点
唐木仏壇は木目や色の美しさで価格が上下します。
工芸品の審美眼がないと、本当の質の良さ・悪さが見極めにくいのが難点です。
唐木仏壇を選ぶべき人
唐木仏壇は、もともとのデザインの特徴から、後で紹介するモダン仏壇に近いデザインのものも多くあります。
伝統的な仏壇の雰囲気を保ちながらも、和室や畳の「ない」現代の家に違和感なくマッチさせたい方にぴったりな仏壇です。
仏壇の種類【モダン仏壇】
3つ目はモダン仏壇です。
そもそも、仏壇の慣習には厳密な決まり事はなく、そのスタイルもかなり自由度高くデザインされています。
そこで出てくるのがモダン仏壇。
現代の家にもよく馴染むようなインテリア性を重視しており「家具調仏壇」などとも表現されます。
掃除がしやすい、収納が機能的、など使ってみてからの満足度は他の種類の仏壇を圧倒します。
素材的にも、ガラスやクリスタル調のものや、有名家具メーカーとの共同デザインのものもあります。
以上で6つの選択基準が出揃いました。
仏壇の種類【予算は?】
最後に、気になる予算面を見ていきましょう。
金仏壇の価格相場
最も価格帯が高いのは金仏壇。
床置型の金仏壇なら、平均相場は130万円前後です。
金を使った装飾が多い上、豪華な彫刻、手間暇のかかる漆塗り、と、まさに伝統工芸そのもの。
全ての工程を別々の工芸職人が行うため、どうしても工費は高くなる傾向にあります。
一方、安価な金仏壇もあります。
それらは、海外で大量生産、使用する金や漆のコスト削減などにより、50万円を切る価格も珍しくありません。
このような安価な金仏壇を選ぶ人も少なくありません。
重要なのは亡くなった人を大切に思う気持ちですから、安価な金仏壇で充分だという考え方は至って普通のことです。
唐木仏壇の価格相場
次は唐木仏壇。
唐木仏壇の平均価格相場は90万円前後です(床置き型の場合)。
先ほどの金仏壇は、装飾によって値段が上下するものでしたが、こちらの唐木仏壇は、木の「素材の原価」が価格に直結します。
また「木目」の美しさも、価格に大きく影響を与えます。
唐木仏壇にも平均相場より安めのものがあります。
安価な木をベースにし、木目を表面加工しているタイプのものが安価な例で、10〜30万円が相場です。
モダン仏壇の価格相場
モダン仏壇は伝統にとらわれない自由な発想がベースになっています。
その特性上、値段もピンからキリまでありますが、強いて言えば10万~50万の価格帯での販売が多い印象です。
ですが、モダン仏壇の場合は、平均相場はあまり参考になりません。
理由は、素材もデザインも千差万別だからです。
今や仏壇専門店のECサイトだけではなく、Amazonや楽天市場での仏壇の購入も完全に定着していますので、モダン仏壇の場合は、まずはネットで物色してみることが定番でしょう。
仏壇購入時にかかるその他の費用
仏壇購入時には「開眼供養」と呼ばれる法要を行う必要があります。
開眼供養
開眼供養はとても重要な法要です。
開眼供養が必要な理由、かかる費用などについて疑問を晴らしたい方こちらの記事を参考にして下さい。
位牌
仏壇に祀る仏具の主役の一つが位牌です。
位牌は大体3〜5万円で購入できます。
位牌のことを基本から分かるように以下の記事でまとめています。
三具足
三具足とは、仏具の基本セットとも言える、香炉、火立て、花立てのことです。
大体1〜3万円で揃えられますが、仏壇とのセット販売になっていることも多いです。
仏壇購入時の注意点
その他、仏壇購入時におさえておきたい細かな注意点を以下の記事にまとめています。
ちょっとした知識集なので、知っておくと便利で賢い買い方ができるはずです。