【開眼供養をやるべき理由】お墓、位牌、仏壇を購入したら知っておくべき基礎知識

基本常識法要のこと開眼供養

葬儀、納骨式、四十九日、開眼供養、初盆、初彼岸、一周忌。

いずれも、節目かつ重要な法要です。

中でも、開眼供養は異色の立ち位置にあります。

今回の「お墓オンライン」では、そんな開眼供養に焦点をあてて解説します。

開眼供養とは

開眼供養かいげんくようは、お墓・位牌・仏壇を購入したら必ず行うべき法要のことです。

故人の魂を入れる

開眼供養の目的は、単なる石の物体でしかないお墓に対して、僧侶による供養で「故人の魂を入れること」。

位牌に対しても、仏壇に対しても同じです。

お墓や位牌、仏壇は、この開眼供養をすることによって、はじめて礼拝の対象となり得ます。

開眼供養はお祝い事

意外と皆さん盲点なのは、この開眼供養は「慶事」、すなわち「よろこびの儀式」であるということ。

納骨式や一周忌など、法要といえばお悔やみの法要ですが、開眼供養は「眼を開く」ことに対するお祝い事として執り行われるものなのです。

ですので、

  • 服装は礼服に白ネクタイ
  • ロウソクは赤(通常は白)
  • お供え物は赤飯や山の幸

と、おめでたいスタイルで対応します。

開眼供養はいつ行う?

開眼供養を行うタイミングについて見ていきます。

開眼供養はやらなくてもいい?

お墓・位牌・仏壇を購入した際、「開眼供養をやらない」という選択肢は、基本あり得ません。

それだと、お墓も位牌もただの商業製品のままだからです。

開眼供養はいつおこなってもOK

ところが、実際それを行う「タイミング」については柔軟に考えられています。

現実には、四十九日法要や、一周忌などの法要にあわせて、それらと一緒に行うことが多いでしょう。

理由は、四十九日や一周忌は、法要の中でも重要で大規模なものだからです。

つまり、親族や関係者が集まりやすい法要と、抱き合わせで行うことが多いでしょう。

開眼供養はどこで行う?

開眼供養を行う場所は、まさにお墓や仏壇のある場所で行います。

  • お墓の開眼供養なら墓地・霊園や納骨堂で
  • 仏壇や位牌に対する開眼供養なら個人宅で

となるのが一般的です。

位牌の場合なら、お寺に持ち込んで、お寺で行うこともあります。

開眼供養はどうやって行う?

開眼供養の準備面を具体例で見ていきましょう。

流れを示すと、以下のようになります。

法要準備の流れ
  1. 僧侶を手配する
  2. 日時を決める
  3. 場所を決める
  4. 参列者へ連絡する
  5. 会食の手配をする
  6. お返しの手配をする
  7. 当日の準備をする
  8. お布施を用意する

僧侶との日程調整

準備にあたっては、まずは菩提寺への相談、日程調整から始めます。

とはいえ、檀家になっていない場合や、普段、お寺と接点がない場合などはどうすればのいいでしょうか。

霊園や石材店を頼る

普段、お寺と接点がない場合は、関係のある霊園や石材店に問い合わせれば、お寺や僧侶を紹介してくれます。

ネットサービスも充実

住職を紹介してくれるネットサービスも充実しています。

「お坊さん便」と呼ばれる僧侶手配サービスなどが定着しつつあります。

参列者を招待

僧侶の日程と場所を確保したら、次は、参列者への連絡・招待です。

その際は、開眼供養だけ行うのか、その他、納骨式や四十九日など他の法要も同時に行うのかを、明確にして伝えましょう。

理由は、お祝い事だけなのか、お悔みごとも併せて行われるのかで、参列者の服装や、祝儀袋か香典袋かの判断に直結するからです。

お返しの手配

その後は、当日の準備に取りかかります。

主に会食場所の手配、お返しの準備が中心となるでしょう。

開眼供養だけ行う場合のお返し

通常の法要(お悔やみ事)のお返しは、お茶や椎茸、海苔などが一般的です。

一方、開眼供養はお祝い事ですから、お菓子やタオルなどのほうが望ましいとされています。

お返しの表書きは、「御礼」や「内祝」と表示します。

納骨式などと一緒に行う場合のお返し

納骨式などを同時に行う場合は、通常の法要マナーを優先します。

香典返しなどと同じように、消耗品や日用品を品物にするのが一般的です。

品物の選定に迷ったら、カタログギフトでも全く問題ありませんし、むしろその方が喜ばれるかもしれません。

お返しのマナー


お返しにはマナーがありますので、不安な方は、ネットサービスよりも百貨店などのギフトショップで店員さんと相談しながら進める方が無難です。

例えば「開眼供養のみを行う場合」には、水引が「紅白蝶結び」の「のし」を使用し、表書きは「御礼」「内祝」となります。

一方「開眼供養と納骨式を一緒にやる場合」には「黒白結び切り」の「のし」を使用します。表書きは「志」「粗供養」などになります。

 

開眼供養にはいくらかかる?

さて、開眼供養の費用について見ていきます。

身内を中心に、10名ほどの参列者を想定した場合の概算は以下のとおりです。

  • 費用の明細
明細金額備考
お布施3〜5万円地域差あり
会食10万円会場費用含む
引き出物5万円一人当たり3千円〜5千円
その他諸経費5万円当日の供物や祭壇・備品使用料など
合計20〜25万円
参列者10名のケース

費用明細【お布施】

まずは、僧侶へのお布施が必要です。

開眼供養だけなら、大体3〜5万円が相場。

遠方から来てもらう場合は、お布施とは別に御車代として1万円ほど包みます。

さらに、法要後の会食に参加されない場合には、御膳料(お食事代)として1万円ほど包みます。

【お布施をお渡しするタイミング】大抵の場合、法要が終わると住職から説法があり、その後、ご住職はお帰りになります。特にマナーや決まりごとというわけではありませんが、お布施を渡すタイミングとして多いのはこの時です。

費用明細【会食代】

法要が終わったら、参列者を招いて会食の席を設けます。

お寺や霊園の施設内なら比較的安く、数千円で法事用の部屋が借りられるケースが多いでしょう。

会食費用は、一人当たり5千円〜1万円が相場です。

立地によっては会食場所へのハイヤーなどで、1台あたり1万円ほどを見込みます。

費用明細【返礼品】

参列者へのお返し代として、1人あたり3千円から5千円ほどの費用がかかります。

品物自体は、百貨店のギフトコーナーなどで準備するのが定番です。

もしくは、葬儀の後に葬儀社からDMが届くことが多いので、それを元に問い合わせてみるのも良いでしょう。

発注する際には、開眼供養だけなのか、他の法要も同時に行うのかを明確に伝えましょう。

理由は、お返しの「内容」「のし袋」「表書き」などに影響するからです。

費用明細【諸経費】

法要当日の費用として、供花や供物、香炉や経机などの祭壇使用料などで、3〜5万円を見込んでおきましょう。

石材店や霊園スタッフなどを通して法要を行うと、懇切丁寧にお手伝いをしてくれますので、そのお礼ということで金品を包むケースもあります。

その場合の金額相場は、地域に慣習によって様々ですが、1万円程度は見込む必要があります。

開眼供養の注意点は?

お墓を建てたものの、「開眼供養は行わない」、というケースも、実はたまに見られます。

開眼供養を行わないケース

そもそも開眼供養は慶事であることが前提です。

しかし例えば、故人が急逝してしまったケースなどは「お墓を建てざるを得なかった」といった状況です。

そのため、お祝い事とは受け入れられないケースなどがあります。

このように、様々な事情で状況は変わりますので、できればまずはお寺と相談をすることをおすすめします。

法要の内容を明確に

開眼供養を単独で行う場合と、納骨式など他の法要も併せて行うのかを、関係者に明確に伝えてください。

開眼供養はお祝い事であり、その他の法要は多くはお悔みごとなので、参列者の服装や、語りかける言葉使いにも大きく影響するからです。

例えば、祝儀袋を用意するべきか、不祝儀とするべきか、表書きはどのように書くべきか、平服にするべきか喪服にするべきか、などなどです。

もちろん、主催者側も、慶事であれば略礼服や平服で、弔事も兼ねるのであれば喪服でホストするべきです。

宗旨・宗派を明確に

例えば、宗派が浄土真宗の場合は注意が必要です。

浄土真宗はそもそもお墓や位牌に魂を入れる、という概念がありません。

死後の霊魂という考えがなく、死後はそのまま極楽浄土に往生する、という考えだからです。

とはいえ、世間一般的には浄土真宗であっても、同様の法要は行われることが多く、その場合は、この開眼供養にあたる法要のことを、御移徙おわたまし建碑式けんぴしき、入仏法要などと呼びます。

準備を始めるにあたって、まずは宗派を明確にして進めることが必要です。

法要の全体像

以上、今回の「お墓オンライン」では開眼供養にフォーカスして解説しました。

法要全体のことも理解しておきたい方のために以下の記事を用意しています。

より理解が深まると思いますので、ぜひ参考にしてください。